糖尿病性白内障の治療・手術について

糖尿病になると、さまざまな合併症が発生します。その1つが、糖尿病性白内障です。ここでは、糖尿病性白内障の原因、症状、治療法、予防法について説明します。

糖尿病性白内障とは？

糖尿病性白内障とは、糖尿病を患っている人に起こる目の病気です。高血糖の状態が長く続くことで、目の水晶体が白く濁り、視力が低下してしまいます。加齢による白内障よりも進行が早い点が特徴です。また、20代・30代などの若い年齢で発症するケースもあります。

糖尿病性白内障の原因

糖尿病性白内障には、以下の原因が考えられています。

• 糖の蓄積
  高血糖の状態が続くと、水晶体内に糖が蓄積して、水晶体の成分が糖の影響で変化し、濁りが生じます。
• 酸化ストレス
  高血糖状態は、体内に活性酸素を増やし、水晶体を酸化させ、濁りを引き起こす可能性があります。
• 糖化
  糖がタンパク質と結合して変性する糖化反応が、水晶体の濁りを引き起こす一因となる可能性があります。

糖尿病性白内障の症状

糖尿病性白内障の症状は、徐々に視力が低下する点が特徴です。具体的な症状は、以下の通りです。

• 視力低下
  かすみ目、ぼやけ、物が二重に見えるなど、視力が徐々に低下していきます。
• 光に対する過敏性
  明るい場所での光がまぶしく感じ、眩しさに耐えられなくなる症状が現れます。
• 視界のゆがみ
  物の形が歪んで見えることがあります。
• 近視の悪化
  近視が急に悪化することがあります。
• 色の見え方の変化
  色が薄く見えたり、色が変わって見えたりすることがあります。

糖尿病性白内障の治療・手術方法

糖尿病性白内障の治療

糖尿病性白内障の治療方法は、通常の白内障と同様です。治療方法は主に3つです。

• 点眼治療
• 白内障手術
• レーザー白内障手術

初期段階では点眼治療を行いますが、進行を遅らせる効果にとどまります。すでに白内障が進行し症状が現れている場合は、手術が必要です。近年では、レーザー白内障手術も取り入れられています。通常は医師が自身の手を使って切開をしますが、レーザーでの治療ではコンピューターを使って水晶体を解析し、解析結果に基づいてレーザーを照射します。精度が高く、目への負担を軽減できる方法として注目されています。

糖尿病性白内障の予防

• 血糖コントロールをする
  糖尿病性白内障の根本的な予防には、血糖値を適切に管理することが重要です。血糖値が安定すると、水晶体への負担が軽減され、白内障の進行を抑えることができるでしょう。血糖値を安定させるためには、食事療法や運動療法の継続が重要です。
• 目の異常を感じたら早めに眼科を受診する
  目に少しでも異常を感じたら、早めに眼科を受診しましょう。糖尿病性白内障は、初期の段階では自覚症状が少ないこともありますが、進行が早いことが特徴です。症状が出始めた場合は、速やかに眼科医に相談し、治療を受けることが重要です。早期発見・早期治療によって、視力低下を食い止めることができます。

糖尿病性白内障の治療についてはまず医師に相談しよう

糖尿病性白内障は、糖尿病患者に多く見られる病気の1つです。白内障になると、見えづらさやまぶしさを感じるようになり、最悪の場合、失明に至る可能性があります。適切なタイミングで治療を受ければ、白内障の進行を抑える、または手術で回復させることが期待できます。特に、加齢性の白内障よりも糖尿病性白内障は、進行が速いことで知られています。早期発見と早期治療を心がけることが大切です。また、普段から血糖値を管理して、高血糖な状態をできる限り避けることも、予防に役立ちます。